2023-12

消化機能・消化器症状

術後の消化機能・消化器症状

食道がんの術後には嚥下や消化機能が障害され,飲み込みにくい,食物の逆流,腹部膨満,腹痛,嘔気,下痢など種々の症状が出現します.原因や理屈のわからない症状も多く,対応には苦慮します.術後の消化機能の変化や症状を列記し,術後の食事の仕方をまとめました.
食事・栄養・サプリ

食・栄養・サプリ

食道がんの術後はとにかく食事が食べられません.おなかがすぐ満タンになり苦しく,腹痛,嘔気.下痢,食欲不振,逆流なんでもありです.普通の食事以外に,糖質のゼリー,アミノ酸,MCTオイルなど一日600kCalくらいは摂取しています.
重複(ちょうふく)がんと多発がん

重複がんと多発がん

食道がんでは食道以外にも咽頭や喉頭にがんが発生しやすく「重複(ちょうふく)がん」と言います.飲酒や喫煙が共通のリスクとなるためです.また少しだけ残った食道に再度食道がんができることがあり「多発がん」と称します.こちらも同様のリスク状態になっているためです.
運動・体力

運動・体力

食道がんの手術後には筋肉の痩せがひどいと言われます.術後早期から何とか蛋白質を摂取して,運動するしかありません.速歩は基本ですが,筋肉にもう少し負荷をかけるのが大切です.
術後退院まで・合併症

術後退院まで・合併症

手術後痛みが無いのはありがたかったですが,体中にチューブがたくさんで動くのが大変でした.縫合不全が起きなかったのは何よりですが,右上肢の麻痺,乳び胸,ドレン感染などの合併症をきたしました.ドレン感染からの縦隔炎の心配を抱え,少し無理やり,2週間で退院しました.
付記:術後おきやすい重篤な合併症

付記:術後おきやすい重篤な合併症

食道の手術は手術操作が広範におよび手術時間も長くなり体に大きな負担がかかります.代表的で重篤な合併症は縫合不全と肺炎,反回神経麻痺です.食道がんの根治手術を受けられる方は知っておいた方がよいと思われるので記載します.